法人化(会社設立)のメリットとデメリット
「個人事業主ではなく、会社設立をしたい」「副業の収入が増えてきたので、会社設立して、節税したい」「会社から独立したい」「一人親方として独立したい」など会社設立を考えていませんか。
会社設立は、昔に比べてだいぶハードルが低くなりました。しかし、いざ自分で会社設立しようとすると、「何から準備すればいいのか分からない」「届出や申請手続きが手間」などありませんか。
事業を始めるときは、個人事業主として開業するか、会社を設立して起業するか、いずれかを選択することになります。個人事業主の場合は、開業届を納税地の税務署に提出するだけで、手続き上はすぐに開業できます。
一方で、会社を設立するには、法令上定められたいくつかの手続きが必要です。手間はかかりますが、法人の場合は、個人事業主では得られないさまざまなメリットがあります。法人の大きなメリットは税制面と信用面の2つです。法人と個人事業主とを比較した場合、事業を拡大しやすくて節税しやすいのが法人の利点です。
具体的には、会社を設立すると以下4つのメリットがあります。
会社を設立するメリットには、主に次のようなものが挙げられます。
- 節税の幅が広がる
- 社会的な信用が得られる
- 融資・資金調達をしやすい
- 決算期を自由に選択できる
上記で挙げた、会社を設立するメリットを解説してきます。
1.節税の幅が広がる
個人事業主と法人では、課税される税金の仕組みが異なり、個人事業主は所得税、法人は法人税がかかります。個人事業主の所得税は累進課税となるため、最低税率は5%ですが、所得が増えるとその分税率が段階的に上がり、900万円を越えると税率が33%、4,000万円を超えると、最高税率の45%となります。
一方、法人税は、資本金1億円以下の法人で所得が800万円以上の税率は23.20%、800万円以下なら税率は15%で一定です。所得が増えれば増えるほど、会社設立による節税効果は高くなります。
また、会社を設立すると、社長や役員などが所得として受け取る役員報酬も経費の対象となります。役員報酬は定期同額給与などの要件を満たすことで経費と見なされるため、法人税の対象外となります。他にも、法人では経費として扱える項目が増えることや、青色申告書を提出すれば欠損金(赤字)を10年間繰り越しができ、長く節税できる点もメリットです。
2.社会的な信用が得られる
会社を設立するとなれば、代表者の氏名や住所などの情報を法務局へ提出し、登記する必要があります。そのため会社情報が公的に開示され、法人としての責任が発生するため、取引先から信頼が得られます。
3.融資・資金調達をしやすい
法人の場合は厳しく財産管理されているため、金融機関は、法人はどの程度の資産を持っているか把握でき、融資判断がしやすいです。法人は個人事業主よりも資金調達しやすく、事業規模の拡大させ易さがあります。
4.決算期を自由に選択できる
個人事業主は、毎年1月1日から12月31日までの1年間で会計を行うことが定められています。法人の場合は事業年度に決まりがなく、決算時期を自由に設定できます。自由に設定できるため、業務が忙しくなりやすい時期をずらせることができます。
会社設立には、デメリットもあります。
一方でデメリットとしては、設立時に定款作成や登記申請に約20~30万円の費用がかかり、赤字でも法人住民税がかかります。税務処理も個人事業主より複雑となり、事務的負担も増えます。
事務的負担も増えますので、会社設立時に、会社設立後もサポートできる税理士に相談するのがオススメです。
節税などの税務相談、税務書類の作成、資金調達時の事業計画書の作成支援、経営アドバイスなど幅広いサポートを受けることができます。 会社設立方法が分からないのでアドバイスが欲しい、事務的負担なく事業の立ち上げや拡大に注力したいので支援してほしいなどのご要望がございましたら、弊事務所にぜひお気軽にご相談ください。